わがままなバドミントン

わがままなバドミントンと書くと、ルールを無視とか、周りの空気を読まないとか、そんなことをイメージするかもしれない。

しかし、今回書きたいのはそれとはそれとはちょっと違う。

Aさんがバドミントンを始めた

バドの友人が所属しているバドミントンサークルでの話だ。この間いろいろ話していたら、こんな悩みがあると打ち明けてくれた。

彼女が言うには、最近どうみても本当にド初級者が自主練仲間になった。バドミントンを始めたばかりで、学生の時もやったことがなく、まったく本当に初めてラケットに触りました、という人だ。

しかも年齢も70歳で、バドミントンを初めてやるにしては高齢すぎる女性だ。仮にAさんとしておこう。

正直言って、周りサークル仲間はかなり辟易してしまったらしい。というのも、Aさんは周りをあまり気にしない。相手がどう思っているのかに関係なく、他の人と同じことができると信じて積極的に練習を行う。

いや、練習を行うのはまったく問題ないのだが、相手になるほうがまるで練習にならないから困ってしまう。

たとえばドロップロビングの練習を1対1で行っても、ドロップがドロップになっていない。ネットからかなり高いところをシャトルが通るから、相手は後ろに下がらされる。そうかと思えば突然ものすごくよい球を落としてくる。

ロビングは飛距離がコートの半分ぐらいしか届かなかったり、高さが足りなかったり。ネットにひっかける回数も多い。

もちろんクリアもヘアピンも初心者以下なのだ。

一番怖いのはゲームの時だ。

ローテーションもわかっていないから、どんな球もあちらこちらに走り回って取ろうとする。これでは周りのほうが本人以上に気を使ってしまう。

決して心が折れないバドラー

その友人が言うには、そのサークルはバドミントン教室とは違うから、中心になって教えてあげる人はいない。ゲームのペアになった人が親切であれば、ちょこちょこっと「そこは違うよ。」と教える程度だ。

周りのレベルと自分のレベルがあまりにも違い過ぎたら、たいていの初心者は物おじしてしまう。

申し訳ないという気持ちがあるから、なんとなくプレーも縮こまってしまう人もいる。

しかしAさんは、自分がミスをしても、ローテーションを間違えても、相手に謝ることはしない。見方によっては傲慢、と取られてしまうかもしれないが、そもそも考えてみると、ミスは誰でもする。ローテーションだってたまに間違えることもある。そのたびに恐縮し続けていたら、ミスを避けるために無難なプレーになってしまったり、力を加減してしまうこともあるだろう。

思いきりよくプレーすることで、自分の持っている力を存分に発揮することもできることもあるのだ。

まさにAさんがそうだった。

元々、かなり腕力のある人らしく、スマッシュやクリアは、打ち方が間違っているから全然飛ばないのだが、威力だけは抜群にあるのだ。

しかも相手を気遣ったり、自分のバドミントンレベルについて悲観したり、そういったことが一切ないから、伸び伸びプレーする。

だから、とてつもなくひどいショットもある代わりに、とてつもなく良いショットもある、というのが今のAさんだ。

周りの目を気にしないバドラー

Aさんはそんなわけで、一緒に打っても相手はまるで練習にならないことと、あまり恐縮している様子もなく、一方的にAさんのミス続きが原因でゲームに負けても、ペアに謝ることもないから、わりと周りから迷惑がられてしまうような存在だったらしい。

しかし、そのAさんがすごいところは、そんな周りの目をまったく気にすることもなく、まっしぐらに練習に励んでいたことだ。もし自分が周りのレベルとあまりにも違いすぎることを自覚してついていけないと判断すれば、もう少し自分のレベルに合ったところに移ることがあったかもしれない。しかしAさんはそうしなかった。

そしてある日、びっくりしてしまったことがあった。

Aさんは、自主練だけやっていては、やはり上達しないと思ったのだろう。ある時からバドミントン教室に通い始めたというのだ。そしてほぼ同時期に、さらにもうひとつのバドミントン教室へ。そしてさらに、別のバドミントン教室へも通い始めた。

いやはや、3つのバドミントン教室に同時に通いはじめた、という。

Aさんは、初級対象のバドミントン教室ではなく、上級者対象のバドミントン教室に申し込んだのだらしいのだ。

そのうちのひとつは、今回悩みを打ち明けてくれた友人と同じクラスらしい。その友人は確かに上級レベルの人だ。

バドミントン教室に入るのに何かの条件やテストなどはないから、あくまでも自分の判断で初級や中級クラスに申し込む。だから誰も文句は言えないし、自分が中級レベルに行きたいと思えばいくらでも行けるのだ。

周りが迷惑がっているのは周知の事実なのだが、Aさんはそれを知ってか知らずか、それでも上級クラスに行きたかったらしい。

わがままな人は上達する?

さて、Aさんが上級クラスに通い始めてもう1年以上はたっただろうか。

年齢のこともあるから、そう急にはうまくはならない。しかし最近になって少しずつではあるが進歩も見られるようになったらしい。そしてAさんが上級クラスにいることに最近ではあまり違和感がなくなってしまっているから不思議、と友人は言う。

確かに周りのレベルよりは大幅に遅れているのは相変わらずなのだが、それでもがんばって続けていることに、むしろ拍手を送りたい。

自分は今回のことでいろいろなことを考えてしまった。

初級の域からなかなか上達が遅い人は、もしかしたら自分がまわりに気兼ねしすぎてしまっているのではないか、と考えたこといはあるだろうか?もしそうなら、このAさんのように少しわがままになってもいいのではないか、と思ってしまう。

社会人になってからの大人バドミントンは、選手になることを目指しているわけではない。クラブチームという組織に所属していれば試合に勝つという目標があるかもしれないが、自分が所属しているのは、あくまでもバドミントンをしたい連中が集まって楽しくプレーをする大人バドミントンだ。

だから、少しわがままになって、自分が上達するために周りにも少し手伝ってもらって、上手な人に囲まれて練習するのもアリかもしれない。

ちょっと上手な人たちと練習する大切さ

そういう意味では自分も同じようなことを最近している。

今年に入ってから、さらに上達するためには上手な人に囲まれて練習することが必要だと以前から思っていた。

つい最近も、上手な人たちと練習をしていたら、明らかにラケットの振り遅れが原因でショットが打てなかったことが多々あった。

打てなかったのは、速い球に慣れていないからだ。間違いない。

これではいけない、と悟った自分が取った行動は、上手な人たちの中に飛び込んで練習する、というものだ。

Aさんと同じように、自分の判断でレベルを選べる教室に今年から通い始めている。それはバドミントンの上級クラスだ。

1月から週1回、通っている。

今はまだ10回も通っていないから、そりゃ大変だ。

今までの中級クラスとは全然レベルが違う。男性、女性が半々ぐらいの少人数制クラスだが、とにかくみんなうまい。いや当たり前だが。しかし、まったく手が届かないうまさではない。

自分も、練習やトレーニングを怠らなければ、その域に達することができると思えるような、「ちょっとうまい人たち」がそこにはたくさんいるのだ。

この、「ちょっとうまい人たち」とプレーすることが大切だと感じている。まったく届きそうもない上手な人たちとプレーすることは、逆に自分に絶望感を与えてしまう。そうではなく、手が届きそうな、自分もすこし努力すれば一年後には同じ領域に行けそう、と感じられる人たちとプレーすることが大切なのだ。

周りを気にしすぎるな

そんな中で自分がプレーしているのだから、そりゃ周りにはいい迷惑だろう。

だって自分は、今までブログに書いてきた通り、クリアを最大の課題しているのだから。

練習ゲームをやると、その実力の違いが如実に出てしまう。フォアからラウンド側に追い込まれると周りこんで打つ余裕がない。速いスマッシュを取ることができない、追い込まれてしまうから力強いスマッシュがなかなか打てない、などいろんなぼろが出てしまう。

それでも毎週、毎週、がんばって、歯を食いしばって通っている理由はたったひとつ。強くなりたいからだ。勝ちたいからだ。それしかない。

もし、自分なんてまだ上級クラスに行けるレベルじゃない、周りに迷惑がかかってしまう。と感じて、自分より少し下手な人たちと、いつまで同じところにとどまっているとしたら、上達は決して望めない。

少しキツイクラス、自分より少しだけうまい人たちがいるクラスに勇気をもって飛び込んでいける人だけが、もしかしたらどんどん上達していけるのかもしれない。

もし今、上達しないと感じている人がいたら、いつも一緒に打っている人たちがどうなのか見てみよう。そしてもし、その中で自分より「ちょっと上手な人たち」がいなければ、その、「ちょっと上手な人たち」がたくさんいるところで時々プレーをするといいかもしれない。

そんなことを、Aさんの行動を友人から聞いて、痛切に感じている。



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ABOUTこの記事をかいた人

まだバドラー歴3年の孤独な大人ネコバド部長。1年目を過ぎたころから仲間ネコを集めて自主練の日々だ。バドミントンをしている時は素のネコになれるんだニャー。 目標は最強のネコバドラー。どんな相手だって受けてたつぞ。ニャー。