公立中学校には少ないながら、運動部がいろいろとある。その中でバドミントン部を持っている中学校も少なくない。
自分が住んでいる地域はどちらかというとバドミントンが盛んなほうで、公立中学でバドミントン部がある学校も多く、また中学校自体も多いため、中体連は激戦となる。
そんな中で、比較的強いバドミントン部の顧問の先生は本当に大変だ。
自分の、教師としての教える授業だけに専念できる先生は幸せだ。
なぜなら部活の指導もしなくていいし、若ければ主任などという大きな仕事を任されることもない。担任を持っていなければ、もっと楽になる。
ところが、教科を教え、さらに担任を持ち、さらにバドミントンの強豪校で顧問をやるとなると、これは激務である。
激務の何物でもない。
バドミントンに限らず、どんなスポーツの部活でも強くなるにはそれなりの理由がある。
バドミントンの場合、とにかくよく大会がある。年間を通して、夏も冬も春も秋も大会がある。
それに加えて、他の中学校との対抗戦、練習試合もしょっちゅうある。
上位校と練習試合をする時は、必ずこちら側から遠征する。
そのバドミントン部が、市大会優勝を目指していれば、同じ市の他の中学と練習試合だ。
だが、目標が県大会となると話が違う。同じ県の強豪校と練習試合となるから、必然的に遠いところへ遠征しなくてはいけない。
さらに、目標が関東大会の場合は、もっと範囲が広くなる。東京都の中学が千葉の奥の奥の中学へ遠征に行く。あるいは神奈川の中学校が埼玉の中学に遠征に行く。
すると、時間もかかるしお金もかかるのだ。
何より顧問の負担が非常に大きいのだ。
遠征や練習試合は必ず祭日か、土曜日か日曜日に行う。つまりサービス残業だ。
目標が高ければ高いほど、遠征にかかる時間も費用も高くなるというわけだ。
そういう強豪校は必ず朝連を行っている。学校の授業が始まるかなり前、7時ぐらいから一時間ぐらいが朝連の時間だ。
その時間には必ず顧問がいなくてはいけない。
だから、朝の7時前から学校に行き、朝連を見守り、日中は教師として教壇に立ち、放課後はバドミントンの顧問として指導をし、夜は学校のありとあらゆる雑用をこなし、帰宅は夜遅い時間だ。
これが毎日なのだ。
そして休みはほぼない。
週末は、練習か、遠征か、大会か、だ。
顧問はこう言う。
『きっと子供達は、バドミントンがイヤになったり辞めたいと思ったこともあるだろう。でも中学生ぐらいの年齢は、近くにいる大人に影響されやすい時期だから、きちんと見てあげたいと思っている。』
中学生がやがて大人になったとき、きっと中学のバドミントン部でのつらかったこと、楽しかったことを思い出すに違ない。
もしかしたら、今、大人バド部で練習しているみんなも、中学の頃にバドミントン部だったかもしれない。
あの頃の頑張りが、今につながっているに違いない。
大人バド部のみんな、中学のバドミントン顧問たちをぜひ温かく見守ってほしい。
いや、バドミントンだけでなく、中学の顧問の先生たちを優しく見守ってほしい。
自分には関係ないと思わないでほしい。
そういった指導をしてくれる顧問に、子供達はかならず良い影響を与えてもらっているに違いないのだから。
そしてやがては、その子供達が育ち、大人になり、ひとりひとりが社会を動かし、次の未来を作っていくのだから。
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