パラリンピックが終わった。
快挙だったのは、村岡桃佳選手。なんと5つものメダルを手にしたのだ。
スキーの滑降・スーパー大回転・スーパー複合・大回転・回転と、出場したすべての競技でメダルを獲得した。
その中でも大回転では金メダル。
これ以上の結果はない、というぐらい上出来すぎる出来だった。
すばらしい、おめでとう!
もちろんこの影にはコーチや本人などを含むチーム村岡の力があってこそ、だろう。
ソチオリンピックでの反省を踏まえて、コーチは彼女の体幹を徹底的に鍛えることを行った。
しかし彼女は横断性脊髄炎で下半身が麻痺している障害者である。
通常の体幹を鍛えるやり方では通用しない。
本人に聞いても、いったいどこで体を支えており、どこでバランスを取っているのか、わからない、という。
そこで、彼女の場合は、どこの筋肉で体を支えているのかを確認していく作業から始めなくてはいけなかった。
そして導き出したのは通常鍛えるはずの腸腰筋の片方が動かないので、中殿筋と側面の筋肉を鍛える、ということを徹底したのだ。
すると体幹が鍛えられ、ぶれない体が作られていった。
このことで、そうか、体幹の鍛え方というのは人それぞれなのだ、ということがわかった。
人によって、ある部分の筋力はあるが、ある部分はまったくだめ、というところが違う。
体幹を鍛える、と言っても、どこの筋肉を鍛えるのがその人にとって効果的なのか、ということを見極めていかなくてはいけない。
また、もちろん競技によっても鍛える場所は違うだろう。
ではバドミントンの場合はどうなのか。
バドミントンの場合は、その人の目的によってもトレーニングするべき箇所が変わってくる。
ミスショットを減らしたいのか?
クリアを飛ばせるようになりたいのか?
スマッシュを速く打てるようになりたいのか?
すばやく前後左右に動けるようになりたいのか?
だから、まずやるべきことは、どの目的で体幹トレーニングを行いたいのか?をまず明確にするべきだ。
その上で、自分の鍛えるべき筋肉、体幹を選択し、最適なトレーニング方法で行うといい。
たとえば自分のように、速いスマッシュが打ちたい、という場合は背中から腕につながる筋肉の強化がてっとり早い。そのために最適なのは懸垂だ。
懸垂をやった場合、特に上半身でもっとも大きな広背筋、大胸筋、上腕二頭筋を鍛えることができる。
また、あまり知られていない、首の後ろあたりから腰にかけての僧帽筋(そうぼうきん)も、腕を前から後ろに引いたり、下から上に引き上げたり、また肩甲骨を引き寄せるという、バドミントンにとってとても重要な動作をする筋力。
これも懸垂によって鍛えることができるのだ。
だから自分の場合、もっとも適切な体幹トレーニングは懸垂をやる、ということになる。
しかしこれらの筋力が十分にある、という人は懸垂ばかりをやる必要性はなく、他に自分に足りない、弱い部分の強化を行う必要が出てくる。
それは何か、というのは、選手ではない我々の場合は、自分で発見していなくてはいけない。
体幹トレーニングは、バドミントンだからこういう体幹トレーニング、と一律に決めてかかってはいけない。
目的やその人の筋力によって、体幹トレーニングが異なっていて当たり前なのだ。
大人バド部のみんな
体幹トレーニングといっても様々だし、目的によって体幹トレーニングのやり方もまったく異なる。
体幹トレーニングを行う時は、まずは目的を決め、筋肉のどの部分を鍛えるのが適切なのかを見極めてからトレーニングを行っていこう。筋肉の働きや筋肉の種類、筋肉の場所や他の筋肉とのつながりなどの、体のしくみを理解していくことも大切だ。
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