さて、3月11日のWHOのパンデミック宣言から今日で3日目。ふだんはあまり神経質ではない自分も、マスクつけたほうがいいかな?とちらっと思う。
とは言ってもどこにも売っていないから、今日も自宅で普通に過ごす日々を送っている。
そんな中、バドミントンファンなら今週末の準決勝、決勝が行われる全英オープンに関心が集まっていることだろうと思う。
目次
女子シングルス、準決勝の奥原選手
昨日の準々決勝はなんといっても奥原希望選手の試合がよかった。
対戦相手は毎回死闘が繰り広げられる、インドのシンドゥ・プサルラ選手。生まれ年は、どちらも1995年生まれだ。奥原選手は3月13日生まれだから、ちょうど昨日25歳を迎えたということになる。シンドゥ選手は7月5日生まれだ。
奥原、シンドゥ選手 過去の対戦成績は?
最近の奥原選手は、シンドゥ選手に負け続けていた。過去の対戦成績は、全16回対戦したうち、奥原選手が勝ったのは7回。シンドゥ選手は9回。僅差だが、負け越している。そのうち直近の過去3回は、2019年4月のシンガポールオープンでは勝ち、2019年7月のインドネシアオープン、スイスで開催された8月の世界大会では、7-21、7-21で負けてしまった。奥原選手としては不甲斐ない負け方だったかもしれない。
そして今回が久しぶりの顔合わせとなったのだった。
第一セットはシンドゥ選手の圧勝
奥原選手は、今回こそ前回の雪辱を晴らすという気持ちで臨んだに違いない。なんといっても、過去の彼女との試合は壮絶といっても過言ではない試合を何度も経験しているからだ。前回は、そんな彼女にしてみたら、あっさり負けてしまった、といってもいいだろう。
さて、第一セット。どんな試合になるかと思ったら、結果としては12-21で負け。点数だけだと、大差で負けてしまっているが、内容的にはそうではなかった。奥原選手は積極的に攻めていたのは確か。しかしほんのわずかのミスでコースがずれてしまったり、チャンスと思ってたたいた球がネットにひっかかったりと惜しいプレイが続出した。
対するシンドゥ選手は、奥原選手の打ち方やクセなどがよくわかっており、イヤな球を出してくる。そしてパワフルなクリアとスマッシュで、何度も奥原選手のデフェンスをはねのける。
第二セット、奥原選手の固さが和らいできて勝利
第一セットでは、ほんのちょっとしたミスが出て、それが大差となってしまった奥原選手。少々緊張しているのか、どうも硬さが目立ってしまった感があった。
リラックスしろといってもムリだとは思うが、緊張のせいで体が思うように動かせないのでは、あまりにももったいない。いっぽうのシンドゥ選手はいつもと一緒だ。
それにしてもあまりにも体格が違いすぎる。シンドゥ選手は足も手もとても長い。身長は179cmもある。奥原選手は156cmだ。毎回思うのだが、体格だけ見ると、圧倒的に奥原選手が不利なのは明らかだ。
さて、第二セットは、第一セットとまったく逆転してしまった。シンドゥ選手が、ほんのわずかクリアをオーバーしてしまったり、奥原選手の角度のあるクロスショットが取れなかったり。
それが点数としては大差となり、21対15で勝利した。それでも内容的にはかなりハードだった。奥原選手もシンドゥ選手の大きなクリアやスマッシュでコートの端から端まで動かされていたし、奥原選手もシンドゥ選手を動かしていた。しかし2セット目が終わっても二人はそれほど疲れた表情をしていなかったは驚きだ。
第三セットはどちらが取ったのか
そして運命の第三セット。奥原選手の二セット目の調子のよさがそのまま続けば、と祈っていたが、実際はどうだろう。
シンドゥ選手も、第三セットはさすがにミスが少ない。奥原選手が渾身のスマッシュを打っても意外に簡単に取られてしまう。しかしそれはシンドゥ選手も一緒だ。かなり良いスマッシュを打っても、奥原選手は、全身をばねにするかのように、届きそうもないところで思いきり足と手を伸ばしてレシーブしてくるのだ。
こういった攻防が第三セットは何度も見られた。
しかし、結果的には僅差ではなく、奥原選手が21対13で勝利したのだ。
振り返ってみるとこの二人はもう何度も対戦しているから、だいたいお互いのクセやよく打つコースなどを知っている。だから同じコースに打たないように、球をあちらこちらに散らしているのがよくわかる。
奥原選手、第三セット勝利の要因は?
なぜ奥原選手は勝てたのか。
奥原選手がどちらのコースに打つかわからなくて、シンドゥ選手がほんの少し準備が遅れてしまたり、読みが外れてしまったり、ということがひとつ。
そして、スマッシュのコースが非常によくて、エースを取れたスマッシュが何本かあったこと。
さらに、シンドゥ選手のクリアが、第一、第二セット同様に、ほんのわずかラインからオーバーしてしまったものが何本かあったこと、それを奥原選手がきちんと見極めていたこと。
そして、長いラリーを嫌がらなかったこと、が挙げられる。
シンドゥ選手は、早く決めようと思って前に詰めてきてミスをしてしまったことが何度があった。もしシンドゥ選手がラリーを嫌がっていなかったら、このようなミスが出なかったかもしれない。
以上のような要因で、奥原選手は勝利した。
勝利の要因を紐解いてみると、奥原選手の調子の良さがうかがえる。しかし、体調は日々変化する。女子であればなおさらだ。
この調子を、日曜の最終日の最終戦勝利まで持っていってほしい。
それにしても準決勝、決勝はいばらの道だ。
準決勝の相手は?2020年3月14日深夜決戦
準決勝の相手は、現時点で世界ナンバーワンである中国のチェン ユー フェイ 選手だ。過去の対戦成績は4-4だから互角、と思うのだが、これは違う。直近の過去3回はいずれも負けているのだ。

しかもチェン選手は、現時点で世界ランク1位。奥原選手は4位だ。大差はないもののやはり1位は何かが違うはずだ。
それはショットの正確性であったり、読みのよさ、であったり、動きの速さであったり、ミスショットの少なさであったり。
今日の深夜(2020年3月14日)に準決勝が行われる。もしテレビ観戦ができる人はぜひ生で奥原選手を応援しよう。
全英オープンの全試合は、CSチャンネルテレビ朝日で放映している。しかしイギリスのバーミンガムでの開催だから、どうしても試合は夜中になってしまう。日本との時差は9時間。たとえば試合が午後1時から開催するとすると、日本はその日の夜の10時なのだ。本日の準決勝スタート時間は現地時間午前10時。日本時間の午後7時だ。
ちなみに、準決勝は女子ダブルスが日本人同士の戦いになってしまった。
あのフクヒロと、タカマツの好カード。どちらにも勝たせてあげたいが。心情的にはタカマツだな。
現在ランキングが世界7位と低迷。その大きな要因として、前回の大きな試合であったワールドツアーファイナルズに、ランキングの順番のせいでタカマツは出場できなかった。同じ国から各国2組までしか出場できないため、その時上位2組だったナガマツペアとフクヒロペアが出場したからだ。ポイントも当然稼げなかった。これは痛かった。
だから今回勝利することで大きなポイントを稼いでほしい。タカマツペアにはオリンピック出場を最後まであきらめてほしくない。
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