本日のゲーム練習会では、たまたま上級者と一緒にペアを組むことになった。そのCさんはシングルスでも活躍している上級者で、球さばきも上手いし、スマッシュもクリアもものすごい威力だ。
対戦相手も自分もそのCさんのパフォーマンスをよく知っていた。Cさんを敵に回すともうあっという間に負けてしまう。
実は自分がバドミントンをやり始めたばかりのころそのCさんと一度だけ対戦したことがある。
もちろんボコボコにやられてしまったのだが、負けてしまって悔しいと思うことよりも、その球さばきの上手さに本当に驚いてしまった。そしてその時、よし、自分ももっとうまくなりたい。少しでもCさんに近づきたい、頑張ろう。と誓ったことを覚えている。ちょうど3年ほど前の春のことだ。
そして今日、再びそのCさんと本日、3年のブランクを経て、今度はペアとしてゲームをしたのだ。
とても興味深かったのは、対戦相手がCさんだと知った瞬間の、対戦ペア二人の態度だった。
ふたりは上級には及ばなくても、よく打てる二人だった。ところが相手がCさんだとわかると、もう戦う前に、すでに負けを自覚していたのだ。
上級者に勝つためには、精神的な弱さを克服することが大切
自分が上級者と対戦した時は、よく思うことなのだが、少しでも上級者がどのように戦うのか、あるいはどんな時にどのような球をどこに配球するのか、どのように決めるのか、スマッシュの打ち方は?クリアの打ち方は? など、いろいろじっくり見ておこうとする。
そして、相手からのスマッシュを受けることができたら素直に喜ぶし、自分のショットが相手を翻弄すれば、やはり嬉しいと思う。
1点でも点数をもぎ取れれば、やったー、と思う。
決して卑屈にならない。試合を最初から放棄しない、諦めない。
けれども対戦する前から、相手が強いからもう負けるに決まっている、という考え方だと、本当に負けてしまっても、そこから何も得るものがない。ただ残念だった、でおしまいだ。
負けてもいいから相手のむねを借りて頑張ろう、相手のスキルを真似しよう、相手の戦略を研究しよう、といった気持ちで臨むのとそうでないのとでは、これからの上達度にかなり影響するように思う。
強い相手が対戦相手になってしまった時は、負けるかもしれないけれど、相手のスマッシュを1球でも取ってみよう。ネットにひっかかることを恐れず、1球でもスマッシュを決めてみよう。失敗してもいいから相手のイヤなところに球を運んでみよう。といったように、自分ができることをゲームの中でいろいろやってみることだ。
対戦相手が負けた理由
対戦ペアがCさんと自分のペアに負けた本当の理由は、実はCさんが強かったから、ではない。Cさんだってミスをすることが何回かあったのだ。完璧ではない。ところが相手ペアはどうだろう。
完全に自滅だ。
Cさんという、いわば脅威の存在に、二人の気持ちが押しつぶされてしまった。
実際の試合は、自分としてはとてもスムーズに運んでしまった。相手は、Cさんにではなく、自分に球を送ってくる。それは当然だ。ペアの弱いほうに球を送るほうが点数が取りやすいからだ。
しかし、自分も負けてはいない。3年前の自分とは全然違うのだ。
もう初心者ではないし、自分には何のプレッシャーもない。ペアが強いから、あまり気にせず自分の思ったとおりの球を打とうとする。
相手のスマッシュをレシーブで高く返す。クロスカットで相手のネット前に球を落とす。スマッシュと見せかけてドロップをするなど、ショットも多彩に打つことができるようになってきている。
だから相手もなかなか自分を崩すことができなかった。
そうかといってCさんに球を送れば、その倍以上のいい球が返ってきてしまう。
そして何よりも、自分たちが楽に戦えたのは、そのペアの動きがよくなかったことが原因だった。スマッシュも簡単に返すことができたし、難しい場所へ球が送られてくることもなかった。
それよりも相手のショットは、普段どおりのショットが出てこない。簡単なミスをしてしまう。スマッシュにも威力がないなど、普段とは全然違うパフォーマンス度なのだ。
なぜ?
その答えは簡単だ。
それはCさんと言う脅威の存在に自分たちの気持ちが負けてしまい、それがプレ―に如実に出てしまっているからだ。
負けると思っているから、体が負ける方向に行ってしまっている。脳が、「この試合に自分は負けなければならない。」と言っていて、球を拾うことができない。身体が固くなっている。
自分が上級者になるためには、考え方を変えること
ここで声を大にして言いたい。
自分が負ける、と思っていれば、本当に負けてしまう。そしてとてもみじめな気持ちになってしまう。
ああ、やっぱり自分は負けてしまった。
しかし、少しでも上級者に近づきたい、上級者から少しでも何かを得たい、と思いながらゲームに臨んだらどうだろう。
これなのだ、もっと自分が強くなる秘訣は。上級者になるためには。
次回のゲームから、こう思おう
もし強い相手とゲームをして負けた経験を持っているなら、その時の自分の感情を振り返ってみてほしい。
悔しいという気持ちだったのか。負けてがっかりだったのか、相手がうますぎるから仕方がない、というあきらめの気持ちだったのか?
もしこういったマイナス思考の状態であったなら、次回からはこう思おう。
相手にどうやったらプレッシャーを与えられるのだろうか?
相手がイヤな球はどんな球だろうか?
自分は相手のどこが上手だと思うのだろう、その上手な部分を自分も真似したい。
相手と自分の差をどうやったら埋められるのだろうか?
こういったプラス思考の考えを持つことだ。
ゲームは負けるかもしれない。けれどもその時負けたと思ってはいけない。
負けたのではない。自分は学んだのだ。
たくさんのことを吸収したのだ。
毎回そう思っていれば、いづれは必ず上級者に近づけるに違いない。
大切なのは、相手を脅威と思ってはいけない、ということだ。
自分を強くしてくれる協力者だ、と思い込むことだ。
そうすれば、決して相手を脅威に感じることはなくなるだろう。自分を導いてくれる協力者だと思っていれば、もっとその人と対戦したくなるだろう。そう思えれば、もはや上級者からなんのプレッシャーを感じることもないだろう。
上級者に当たれば当たるほど、自分はどんどん上手くなっていく。
自分はそう信じて疑わないから、上級者と対戦しても、あるいは逆にパートナーになっても、どちらにしても、とても嬉しい存在なのだ。
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